峯水亮よりグランプリ受賞のご報告 - 第5回日経ナショナルジオグラフィック写真賞 受賞式にて

2017年2月6日(月)、東京大手町にある日本経済新聞社にて、第5回(2016年)日経ナショナルジオグラフィック写真賞の受賞式が開催されました。その時の様子をご紹介します。

第5回日経ナショナルジオグラフィック写真賞受賞式
2016年度の受賞者の皆さんです。私(前列真ん中)の左側に古見きゅう君(ネイチャー部門最優秀賞)、右側には取材中で来れなかった三井 昌志さん(ピープル部門最優秀賞)の奥様とお嬢さん

国際的に活躍できるドキュメンタリー写真家を発掘し、日本から世界へ送り出したい。そんな願いを込めて創設された日経ナショナル ジオグラフィック写真賞。今回で5回目の開催となる2016年は、総応募者数315名、合計597点(単写真436点、組写真161点)の応募作品があり、その中から水中写真として初のグランプリ作品として、応募した5枚の組写真「 儚くも、逞しく生きる小さな生き物たちの世界」 が選ばれました。

第5回日経ナショナルジオグラフィック写真賞
第5回日経ナショナルジオグラフィック写真賞 グランプリ受賞盾
受賞作は、私がプロデュースしておりますBlack Water Dive®で出会った生き物の中から、昨年の沖縄や小笠原諸島で撮影したプランクトンが被写体です。ここに受賞作品とその解説を交えてご紹介します。

ミノガイ科の稚貝
ミノガイ科の稚貝:殻長5mm
まだ見ぬ生き物たちとの出会いを求めて、夜の海にひたすら通う日々。闇夜の海中で、ミノガイ科の稚貝が鮮やかに輝いていた。満ち潮に導かれながら沿岸に近づいて、この先の最適な棲み家を探している。成長すると、岩の下や隙間にそっと隠れて暮らす人知れぬ二枚貝。スポットライトを浴びるのは、この瞬間だけかもしれない。

オニオコゼ科の稚魚
オニオコゼ科の稚魚:全長10mm
体は小さくても、その顔つきはどこか成魚と同じ風格が備わっている。オコゼ科の稚魚。体に対して大きな胸鰭は、浮遊適応のためだろう。今は捕食者に見つかればすぐに食べられてしまう儚いプランクトンだが、着底して無事に成長を遂げられれば、周りの小魚たちを虎視眈々と狙う強力な捕食者へと変貌する。

テンガイハタの幼魚
テンガイハタの幼魚:体長5cm(ひれの先まで20cm)
小笠原諸島の父島にて、真っ暗な夜の海でクリチャーたちとの出会いを想像しながら、ひたすら待ち続ける。その瞬間は突然訪れた。目の前に舞い降りた姿は、まるで想像の世界の天女のようだった。存在を存分に見せびらかすように、長く靡く鰭を広げながら、再び夜の暗闇へと過ぎ去っていく、あっという間の出来事。美しいテンガイハタの幼魚。

和名のないタコの幼生
和名のないタコの幼生
名もなきタコの幼生は、夜の深まるころに人知れず姿を現す。透明な体から伸びた長い腕は、浮遊に特化した証。少しでも大きく見せようと思うのか、さらに腕を伸ばそうとする。私が少しも怯まないでいると、さっと身を翻えして、行く手を拒む深場へと降りていった。腕を伸ばした全長は10cm程。

ウミノミの仲間と放散虫
ウミノミの仲間と放散虫:全長3mm
たくさんの風船にぶら下がりながら、空を飛んでいるようなウミノミの仲間。放散虫という球形の小さな動物プランクトンを束ねて、浮遊生活をする。海の食物連鎖の中では、同じ下位層で暮らすもの同士だが、生きるために知恵を絞り、互いに利用しながら浮遊する姿に、小さな生き物たちの生きる知恵とたくましさを感じた。

峯水亮。グランプリ受賞のスピーチ
受賞のスピーチをする私(峯水)緊張してます。
ocean+αの掲載記事
プランクトンの生き様を表現 ~日経ナショナル ジオグラフィック写真賞グランプリ 峯水亮スピーチ全文~
https://oceana.ne.jp/event/66301

第5回日経ナショナルジオグラフィック写真賞受賞式
2016年受賞者の皆さんと、審査委員長/野町 和嘉さん(写真家)前列左、審査委員/中村 征夫さん(写真家)前列右、大塚 茂夫さん(ナショナルジオグラフィック日本版編集長)後列左を交えて

受賞式には歴代のグランプリ受賞者の方々も駆けつけてくれました。
日経ナショナルジオグラフィック写真賞、歴代グランプリ受賞者
日経ナショナルジオグラフィック写真賞、歴代のグランプリ受賞者。左から、竹沢うるまさん(2014)、宮武健仁さん(2013)、峯水亮(2016)、前川貴行さん(2012)、八木豪彦さん(2015)


2016年のすべての受賞作品はこちらからご覧ください。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/photo/15/011800001/011200010/?P=2

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